還元率/エンジニアファーストについて

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今回はエンジニアさん向けに、SES会社の還元率やエンジニアファーストについて解説したいと思います。
高還元率だからと飛びついたものの、思ったように給料が上がらない、単価を上げるためにやりたい事が出来ないなど「こんなはずじゃなかった」にならないよう事前に知識を身につけて欲しいと思います。

還元率の計算方法

まず気をつけたいのは一般的に『給料=客先単価×還元率』ではないという事です。
もちろんそのように計算している会社さんもいると思いますがその場合還元率は他に比べて低くなるでしょう。
ざっと調べてみると以下の計算式で計算する会社が多いです。
・給料=(客先単価-会社負担分社会保険料)×還元率
つまり会社負担分も混みで計算する形です。
中には会社負担分社会保険料を還元率を掛けたあとに引いたり、経費(会社の利益)を原価に含めてる会社もあります。
当然さらに手取りは少なくなりますね。
それでも良心的な会社さんもあり
・給料=客先単価-会社利益(固定金額)
というものもあります。
計算してみるとわかるのですが、これって単価が高い人だと会社負担分社会保険料が会社利益を超えてしまう事もあるんです。
会社の決意を感じますね。
このように業界で統一されたルールがあるわけではないため、高還元率をうたっている会社へ転職・就職する際は具体的な計算式をしっかり確認することをお勧めします。

高還元だから高給料という訳ではない

高還元SESを選択する人のご意見として一番多いのは「同じ単価60万だったら多くもらえた方が良い」というものです。
ここで注意したいのは、単価が同じなら、という前提です。
エンジニアの提案(営業方法)には大きく分けて2種類あると考えられます。
一つ目はSES業界に出回っている『要員募集』に応募する形です。
Java出来る人いませんか、PHP出来る人いませんか、というものに対して提案するパターンですね。
もう一つはプロジェクトを把握して、要員を提案するパターンです。
これは黙っててSES企業に情報が入るものではありません。
実は元請のIT企業さんはそこまで頻繁に案件情報の配信は行っていません。
そのためSES企業の営業さんはその企業のプロジェクト状況を常に把握し、何月からどんな人が必要か一緒に考えるようなスタンスで営業を行います。
前者は商流に余計なSES企業が入るため、単価が低くなります。
後者は当然手間も時間も掛かりますが元請企業さんとのお仕事になるため相対的に単価が上がります。
ただし、営業コストは高いと言わざるを得ないため還元率も少し落ちてしまいます。
ですが、単価が高いため結果的に給料は高くなる可能性もあります。
この場合、後者の方が還元率は低くても給与は同じであったとしても質の高い案件・商流で仕事をすることが出来る、という結果になります。
人それぞれの価値観はありますが、どちらが得か検討する必要があります。

高還元率の弊害

もう一つ考えて頂きたいのが高還元率で高給与をキープするためには弊害があるという点です。
上記で給料の計算方法や営業の手法について理解頂けたと思いますが、先に述べたとおり高還元率の会社で高給与をキープするためには単価の高い案件にアサインされ続ける必要があります。
単価の低い案件に入ってしまったら給与が下がる訳ですから当然ですね。
初めてチャレンジする言語・環境の案件に参画すると単価が下がってしまいますから今持っている技術を最大限生かせる現場ばかりを選択するようになります。
そうすると何年経っても同じ言語で勝負するようになり新しい技術を吸収する機会はなくなります。
10年後、その技術がまだ流行っていれば良いのですが…ITの世界はそこまで単純ではありません。
その時になって目の前の単価より大切なものがあった、と気づいても後の祭りですね。
給料を実力で評価している会社では、このように単価が下がる案件に入ってもエンジニアにとっての成長に対する投資と考え給与は変わらないのが一般的です。
そういうところでスキルを多方面に伸ばし安定した収入を得るのも一つの選択肢として考えられます。

エンジニアファーストの意味

エンジニアファーストを言う言葉を使う会社さんも多くありますね。
ただし、この言葉簡単に使えるものではないと思っています。
言葉だけで言えば、エンジニアの求める案件を提供しキャリアを重ねて貰う、と言う事になりますが希望の案件に入るだけが望むキャリアに近づく方法でしょうか。
エンジニアの方なら大抵経験あると思いますが、PMさんで実装が全く出来ない人だと、スケジュールやWBS、タスクに違和感があることありませんか?
きっとそういう人はマネジメントをやりたいと希望し、ろくに実装の腕を上げることなくマネジメント案件に入ってしまったのでしょう。
そんなエンジニアの末路は悲惨です。
大きい案件は当然任せられず、小さい案件のリーダー的ポジションでマネジメントとは呼べないような立場で仕事をすることになります。
このような事にならないよう、エンジニアが望むキャリアに到達するよう、どのような実力を養う必要があるかを考えるのが組織の長・営業に求められるのです。
それが出来ずマッチング営業だけをしている会社であなたのスキルは上がるのでしょうか。

おわりに

今回は高還元率SES企業についてや、エンジニアファーストの本来の意味について書いてみました。
一部の会社さんには怒られる可能性もありますが、業界が正しく機能するために必要な事だと思い書いてみました。
SES企業はSES企業である前にIT企業です。
またIT企業である前に会社であります。
エンジニア(社員)を育て、会社が成長し、質の高い仕事を目指す義務があります。
エンジニアの皆さんは目の前のお金に釣られることなくあなたのキャリアを育てられる会社を見つけて欲しいと思います。

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